PMOとはなにか?

最近ではPMOという言葉も一般的になってきました。しかしながら、管理人はPMP試験で勉強するまでよく理解していませんでした。なんとも情けない限りでお恥ずかしい・・・

そこで、管理人の観点を交えて、PMOについての役割などを書いていきます。今までPMOとはなんぞやという方に読んでもらえたら幸いですね。

PMOとは?

PMOの定義について

まずは、PMOの定義について書いていきます。

PMOとは「プロジェクト・マネジメント・オフィス(Project Management Office)」の略称です。PMBOKから引用すると次のように説明されています。

プロジェクトに関連したガバナンス・プロセスを標準化し、資源、方法論、ツールおよび技法の共有を促進するマネジメント構造

詳細な説明は、PMBOKガイド第6版「2.4.4.3 プロジェクトマネジメントオフィス」を参照してください。

ちなみに、”ガバナンス”とは次のような意味です。Weblioから引用してみます。

統治。支配。管理。そのための機構や方法

”コーポレートガバナンス”とは違う意味なので気を付けてください。

総合すると、プロジェクトマネジメントに関連した「組織的な管理組織」と「管理手法」と考えてもらえばよいでしょう。

PMOの構造と役割

PMBOKで説明されているPMOの種類は次の3パターンです。

  • 支援型
  • コントロール型
  • 指揮型

それぞれの違いや役割についてみていきます。

支援型

支援型PMOとは、まさに「支援」という通り、実際のプロジェクトに対しての支援を中心に活動する役割と定義されています。

支援のかたち

プロジェクトへの支援の方法には、さまざまな形態がありますが、PMBOKでは次のような例を挙げています。

  • テンプレート
  • ベストプラクティス
  • トレーニング
  • 他のプロジェクトの情報や教訓へのアクセスを提供

要するに「組織のプロセス資産を、各プロジェクトが使いやすいように整理して、提供します」ということでしょうね。「トレーニング」も含まれているので、プロジェクトマネージャに対して組織的な教育も行います。

ここには「コントロール」という言葉は出てこないので、あくまでも支援を中心に行う組織ということです。

コントロール型

コントロール型PMOは、上記の支援型PMOの支援に加えて、プロジェクトのコンプライアンスを要求する組織と定義されています。

コンプライアンスを要求する?

ここで、「コンプライアンスを要求する」と出てきましたが、何を言っているのでしょうか。

一般的にコンプライアンスとは「法令遵守」という意味で使われています。すなわち「組織のプロジェクトマネジメントプロセスに従っているか」の監査を行うということです。

われわれプロジェクトマネージャから定期的にプロジェクトの実態について情報を提供させて、組織プロセスに準拠しているかの監査を行う組織とも呼べるでしょう。

PMBOKでの要求度合いは次のような例で説明されています。

  • プロジェクトマネジメントの枠組みまたは方法論の採用
  • 特定のテンプレート、フォームおよびツールの採用
  • ガバナンスの取組みへの適合性

相変わらずPMBOKの説明は、抽象的でよくわかりません。

要は先ほども書いた通り「組織のプロジェクトマネジメントプロセスに従っているか」について「しっかりPMO部門がコントロール(チェック)しますよ」ということです。

このコントロールの度合いは「中程度」と定義されています。

指揮型

指揮型PMOは、上記の「コントロール型PMO」を超えて、「PMO部門が直接プロジェクトをコントロールしますよ」という形態をさしています。

コントロールの度合いは「高」ということですね。というか完全コントロール状態になっています。

プロジェクトマネージャもPMOから「任命」され、組織PMO部門のコントロールでプロジェクトが運営されているような状況ですね。

実務ではどうなっているのか

実際の組織では「PMO」と呼んでいたり、違う呼称で呼ばれていたりするかもしれません。しかし皆さんの会社でも、組織図を見てもらえれば、似たような名称の組織が存在していると思います。

管理人がよく見かけるパターンは次の2つです。

  • 組織のPMO部門
  • プロジェクト内に配置されているPMO

組織のPMO部門

組織のPMO部門とはその通り「会社組織全体に対してプロジェクトのコントロールを行う組織」です。

組織図を例に挙げてみます。本来はもっと階層が深いと思いますが、例なのでご了承ください。

組織PMO

ITベンダーで例を挙げていますが、組織全体で活動している各プロジェクトを総括して管理・コントロールを行う部門と理解してください。

上述したPMOの構造で言えば、3つ全ての構造を持っている組織がほとんどでしょう。

プロジェクトの支援を行う

組織的に各プロジェクトの支援を行っています。先ほども記載した通り、組織のプロセス資産の整理や公開、教育など、多岐に渡っています。

組織的なので全社のプロジェクトを横断して分析を行い、特に数値的な部分(指標と呼ばれるもの)を設定したりしています。

また、事例や教訓などの取りまとめを行い、定期的に全社通達をしていたりします。

プロジェクトのコントロールを行う

組織PMO部門の役目として管理人が一番重要だと思うのが、この「プロジェクトのコントロール」です。

次のような例です。

  • 各プロジェクトが組織のルールを遵守しているかの監査を実施
  • 各プロジェクトの状況(進捗・品質など)を確認してトラブルの予兆を早期に発見

各プロジェクトの所属部門でも監査を行いますが、第三者としての監査になるので、かなり厳しいものです。(管理人の所属組織での話ですが・・)

プロジェクトの指揮を行う

これはプロジェクトがトラブってしまい、プロジェクトマネージャではかじ取りできなくなった場合に発動されることが多いでしょう。

組織PMO部門から任命されたプロジェクトマネージャが代わりにマネジメントを行うことです。こうなるケースは、よほどのトラブルプロジェクトのことでしょう。

管理人が所属する組織でも、ごく稀に見かけることがあります。

プロジェクト内に配置されているPMO

さて、大規模なプロジェクトになると、プロジェクトマネージャの配下にPMOが配置される場合があります。次のようなイメージですね。PM(プロジェクトマネージャ)直下に位置します。

プロジェクト内のPMO

何をしているかいうと、プロジェクトマネージャの補佐的なことをしている場合がほとんどです。

  • 進捗や品質データの取りまとめ
  • プロジェクト管理資料の作成

すなわち、プロジェクトマネージャだけでは管理しきれない部分を補ったり、助言したりするケースです。どのような人間がこの役割を担っているかというと、次の通りです。

  • 組織PMO部門から派遣される場合
  • プロジェクト内部で要員をアサインする場合

組織PMO部門から派遣される場合

組織PMOから派遣される場合は、全社を挙げての一大プロジェクトだったり、プロジェクト実行部門の要因不足の場合だったり、さまざまなケースがあります。

組織PMO部門自体もそれほど人数がいるわけではないので、超大規模なプロジェクトの場合が多いでしょう。

プロジェクト内部で要員をアサインする場合

このような場合は、次期プロジェクトマネージャとなるべく若手社員のOJTの役割も果たす場合が多いと思います。

有能なプロマネの下についてプロジェクトマネジメントの実地訓練を行うケースです。

組織PMO部門を構成する人たち

会社や組織によって違うと思いますが、組織のPMO部門を構成する人たちは、経験豊かなベテランプロマネだった方が多いですね。

過去の経験を、他のプロジェクトへ波及させることや、若手プロマネの育成、トラブルプロジェクトの匂いを嗅ぎつけるなど、経験を生かした活躍をされています。

自分もトラブルを経験してきた人たちなので、だいたいトラブりそうなプロジェクトはわかるみたいですよ。

まとめ

管理人はプロマネをしているときは、組織PMO部門の監査対応に悩まされていました。

「あいつら口しか出さないで偉そうに」とか、「実際にお客と対面で勝負して来い!」などと、いかにも現場責任者のような発想でした。

いまになって考えてみると、視点が低いですね。狭いといってもいでしょう。PMOは組織全体のプロジェクトマネジメントの向上というミッションで動いているのですよね。

それを、個人攻撃を受けているかのような被害妄想だったということに気が付き、恥ずかしい限りです。

PMBOKを学ぶことで、やはり一段高い視点でプロジェクトを見ることができるようになった気がしています。

 

PM

Posted by wpmaster