マネジメント=管理、それだと嫌な響きだと思う
マネジメントという響きですが、皆さん、どうお考えですか? なぜかわかりませんが、管理人はいやな響きにきこえてくるのです。
日本語訳が「管理」ということだからかもしれません。正直なところ、管理されるのっていやですよね。それでも、プロジェクトマネージャの仕事は管理することなのです。
マネジメントとは?
日本語にすると「管理」です。プロジェクトマネジメントは「プロジェクト管理」とも呼ばれています。読んで字の如しプロジェクトを管理することです。
何事も成功するためには、何がしかの統制(管理)が必要です。ダイエットに成功するためには「食事の管理」が必要ですし、お金持ちになるためには、「お金の管理」が必要です。
組織として成功するためにも、従業員の管理が必要で、そのために「管理職」がいて、職場を統制しています。
プロジェクトは管理するもの?
プロジェクトでも同様です。成功するためには、さまざまなものを管理していく必要があります。
そうでないと、最短で目的に向かって突き進むことはできません。
統合変更管理を野放しにすれば、スコープ・クリープが多発して制御不能になってしまいます。また、コスト管理を野放しにすれば、どうなることやらわかりません。
そうなのです。計画したとおりに成功させるためには、マネジメント(管理)が必要なのです。計画は作成時点でのベストな最適解で作られたゴールへのシナリオになっています。
プロジェクトマネジメントをしていて、一番難しいと感じるのが、「人の管理」です。
なぜ人は管理されるのを嫌うのか?
多くの人は、管理されることを嫌います。(管理人もそうです)
プロジェクトの場合は、当初作成した計画から外れないように、さまざまな「もの」を管理していきます。外れた場合は是正をします。
是正は合理的(非人間的)であることが多いため、人間の本性から逸脱している場合があります。それで何かと反感を抱くわけです。
プロジェクト以外でも、組織のルールに対して無性に反抗的な人がいたりします。これも、その人にとっては何かが合わないのでしょうね。
管理人もプロジェクトメンバーだったころから、何かと反抗的な態度を取るメンバーの一人でした。
プロジェクトマネージャからの指示というものは、管理的な作業の元ネタを提供することがほとんど(進捗など)でしたので、このような作業は「ものづくりと直接関係ないし」と考えていました。
嫌いなのは深い理由がある?
自分がプロジェクトマネージャをやるようになってから、このような考えのメンバーをもてあますようになったことも事実です。
「進捗や課題をオープンにしていこう」と鼓舞しても、事実を隠したがるメンバーが多いのです。
直接聞いて回るしか方法がなくなってしまいます。それでも口が重いメンバーがどれほどいることか。
「事実を告げると怒られるかも」と考えているのです。実際、管理人もそうでした。
そのメンバーは過去にトラウマがあるのかもしれませんね。よくいるパワハラPMのせいかもしれません。
悪い報告をすると、続けざまに、「どうリカバるんだ!」、「おまえが行って誤って来いよ!!」、「はあ〜(ため息)」、「何でそんなこともわからないんだ!!」、「おまえの頭、どうかしているんじゃないか!!」などの罵詈雑言を、みなの前で浴びせられ、自尊心も失ってしまう、といったことがあったのでしょう。
だから、本音は言わず、都合が悪いことは告げず、自分で何とかしようとしてしまうメンバーが多くいます。
それでも管理しなければならない
メンバーがプロジェクトマネージャに報告するように、プロジェクトマネージャはステークホルダーに報告しなければなりません。
そのとき、プロジェクトマネージャが言いにくいことを言わないでいると、あとで発覚したときに大問題につながります。
これは、「プロジェクトマネージャ→ステークホルダー」のみならず、「メンバー→リーダー→プロジェクトマネージャ」の流れでも一緒です。
小さいプロジェクトならば、「メンバー→プロジェクトマネージャ」ですが、大きいプロジェクトだと、「メンバー→リーダ」があって、「リーダ→プロジェクトマネージャ」という流れです。
その流れの中でオープンでクリアになっていないと、プロジェクトマネージャは誤った判断をしてしまいます。それを防ぐためにも、正確で事実に基づいた報告が必要です。
管理と思わせない雰囲気作り
そうしてもらうにはどうすればよいか? 報告しやすい雰囲気作りが必要です。プロジェクト管理の根本である「報告」がきちんとできるようになれば、管理する側も楽になることでしょう。
具体的には、事実を正確に報告してくるメンバーには、最上級にほめることです。それが、よい報告でも、悪い報告であっても、まず受け止めます。
そして、「早く報告してくれて助かる!!これが明日ならもっと状況が悪くなった」などと、「報告した」という行動に対して、最上級にほめてください。
失敗した内容の責任を問うことはまた別の話です。
報告するという行動を、ほめることで、メンバーが報告しやすい雰囲気が生まれてきます。
逆に、報告しなかったメンバーには、報告しないという行動に対してまず、苦言を呈しましょう。
そして、相手が根負けするくらい、繰り返し繰り返し、早く正確に報告することの必要性を説いてください。こっちが根負けしてはだめですよ。
スピーディーで的確な報告がメンバーから上がってくるようになれば、プロジェクトマネジメントも
次は自分の番
メンバーや、リーダからの報告がタイムリーにあがるようになったら、今度はプロジェクトマネージャである自分の番です。ステークホルダーに対して、スピーディーで的確な報告をしましょう。悪い内容こそ早めにです。
しかし、スポンサーやステークホルダーの人たちには、多くはこの理屈が通吏ません。ましてや褒めなどくれません。
それどころか、罵声を浴びせられたことも多いでしょう。心が折れてしまいそうです。
それでも、早く正確な報告をしておけば、それ以上、悪くならないでしょう。なぜなら、対策が早く打てるからです。
コストオーバーが見込まれることを早く正確に報告すれば、その対応策を、内部からも外部からも打てます。また、不具合発生の場合でも、影響範囲を小さくできたりします。
まとめ
管理について書こうと思ったのですが、いつの間にか報告の重要性になってしまいました。ご容赦ください。
PMBOKやPMI職務・倫理規程でも、情報の隠蔽はご法度ですし、ステークホルダーへありのままを報告すべきと書いています。
この考えは一部納得できないところもあるのですが、行動の根底はPMBOKに準拠していきたいと考えています。
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