プロジェクトマネジメントでのステークホルダーとは

最近は一般的になってきたステークホルダーという言葉ですが、これも管理人が社会人に成り立て(1990年ごろ)は使っていませんでした。

2005年ごろから管理人も耳にし始めたのですが、具体的な内容はPMP試験の勉強を始めてから知りました。

このステークホルダーという言葉が指す内容は、また漠然としていてよくわかりません。そのわりに至る所に出てくる曲者(くせもの)のようなものです。プロジェクトマネジメント以外の場面でもです。

しかし、このステークホルダーなるものは、プロジェクトの成功に関して非常に大きな影響を与えるものです。

この扱いに失敗すると悲惨な状況になってしまいます。この内容をよく知ることが、プロジェクトマネジメントの第一歩です。

ステークホルダーの定義

早速ですが、PMBOKの定義を引用してみます。

プロジェクト、プログラム、またはポートフォーリオの意思決定、活動、もしくは成果に影響したり、影響されたり、あるいは自ら影響されると感じる個人、グループ、または組織

難しいですね。これだけ読んで意味がわかった方は、PMBOKの勉強は必要なさそうですね。短い言葉にいろいろなものが凝縮されてます。

もともと、ステークホルダーに関する知識エリアは、第4版ではコミュニケーションマネジメントに含まれていました。

しかし、第5版から独立した知識エリアになりました。PMBOKでも重要視されたことの現れでしょう。

さて、意味がわからないままでは気持ち悪いので、管理人の解釈も入りますが、説明を加えていきます。

人を指す

ステークホルダーというのは、基本的に人を指します。組織とも書いてありますが、組織の根本は人だと思いますので。人を指しているのだと考えてください。

プロジェクトに影響を与える人(人たち)

プロジェクトの作業において、影響を与える人(人たち)です。これは、「よい影響を与える」、「悪い影響を与える」どちらも含みます。

プロジェクトから影響を受ける人(人たち)

プロジェクトの作業、結果から、影響を受ける人(人たち)です。これも、「よい影響を受ける」、「悪い影響を受ける」どちらも含みます。

分解してみる

分解してみると次のような内容です。想像以上に広い範囲になることが想像できます。

プロジェクトに関わりがある人

  • プロジェクトの内部
  • プロジェクトの外部

プロジェクトに影響を与える人

  • よい影響
  • 悪い影響

プロジェクトの影響を受ける人

  • よい影響
  • 悪い影響

プロジェクトとステークホルダーの関係イメージ

プロジェクトとの関係に絞ります。そうすると、上記に出てきたパターンを図式化すると、このようなイメージです。

プロジェクトとステークホルダーの関係イメージ

いままで、PMBOKをあまり知らなかった人は、プロジェクトを立ち上げた際に、ここまで広い考え方をしてこなかったのではないでしょうか?

登場人物が今も昔も変わっているわけではありません。捉え方が変わったのだと考えてください。

管理人が考えていた範囲は、狭かったように思われます。対象範囲は、顧客、それも打ち合わせに出てくるようなキーメンバーのみ対象と考えていました。

管理人が考えていたステークホルダーイメージ

実際のプロジェクトでは

顧客で考えてみても、システム構築をすることで、「よくなる人」もいれば、「悪くなる人」もいるはずです。

「よくなる人」を例に上げれば、「業務効率化で早く帰れるようになった人」や、「売上が向上し、利益も出た営業マンに、特別賞与が出た」などでしょう。

システム構築の場合は、この視点のみ強調されがちです。「いい事尽くめだよ」といったような。それはそうですよね。よくなる点を強調しないと、システム構築は実現しませんから。

しかし、表があれば裏もあるわけで、システム構築をすることで、不利益が出る人たちもいるはずです。

たとえば、「月次締めが短縮になったよかった」という話の裏では、「他システムを使っている部門は締め時間が早まったせいで業務量が増えてしまった」など。

システム構築中は声が大きい人や、部門の要求に隠れてしまいがちですが、運用後にこのようなことが発覚したりします。

このようなことをなくす目的もあって、「プロジェクトマネジメントの柱に、ステークホルダーをきちんと捉えて、マネジメントしていきましょう」ということになったと推測されます。

PMBOKの考え方自体は、さらに積極的です。ステークホルダーを特定することはもちろん、積極的に良い方向に関与してもらうように働きかけ、プロジェクトを成功裏に終わらせようということが目的の一つです。プロジェクトマネージャの重要な職務の一つとなっています。

「積極的に関与を促す」という考え方は、米国的ではありますが、利用するメリットがありそうです。実際の業務では、このようなステークホルダー登録簿のようなものまでは作成していないのではないでしょうか?

管理人もPMBOKが推奨するようなものは作成したことがありません。せっかく学習したのですから、利用してみてはどうでしょうか。

まとめ

みなさんも思い当たるふしがあると思います。後から、顧客の打ち合わせに参加していなかった部門からのクレームが発生することが。

ステークホルダーの意味を認識したら、次はステークホルダーがどれくらいの範囲で、どのような人たちがいるのかを洗い出してみましょう。そして、プロジェクトへの関与度合いを上げてみてください。

違った世界が見えるかもしれません。最初の段階で対策を打てれば、プロジェクト開始後に慌てることも減ってくると思います。

ちなみに、PMBOKガイド第6版では、プロジェクトマネージャは、ステークホルダーの「コントロール」はできないとしています。そうなので、「監視(モニタリング)」という用語に変わっていることも見逃せません。

 

PM

Posted by wpmaster