プロジェクトマネジメントでの「リスク」と「課題」の違い

2017年12月16日

PMBOKでも、そのほかのプロジェクト管理系の読み物でも、普段の生活でも、「リスク」という言葉はよく出てきます。漠然とはわかるのですが、「具体的に説明せよ!」といわれると固まってしまいませんか?

そのような「リスク」について考察していきます。あわせて、混同されがちな「課題」との違いも見ていきます。

リスクとは?

いろいろな捉え方ができます。一般的な使われ方はこのような文章ではないでしょうか?「危険性」として使われることが多いと思います。

  • 「投資にはリスクがある」→「投資には危険性がある」

まさにそのとおりですね。投資は危険かもしれません。しかし、さまざまな分野・事象により意味は異なっています。

詳しく知りたい方は、ウィキペディアを参照ください。詳しく記述してあります。

さて、プロジェクトマネジメントの観点で考えると、ちょっと違った解釈です。PMBOKガイドの定義を引用してみます。

発生が不確実な事象または状態。もし発生した場合、ひとつ以上のプロジェクト目標にプラスあるいはマイナスの影響を及ぼす。

PMBOKガイドから

危険性だけではないですね。いろいろな状況が含まれています。プラスの影響などもあるようです。確実にいえるのは、「発生が不確実である」ということです。

課題とリスクの違い

よく混同されているのが、「課題」と「リスク」です。プロジェクトマネジメントのみならず、みなさんもよくお使いになる言葉でしょう。

端的に言うと、「発生してしまったものが課題」、「発生が不確実であるものがリスク」です。

課題の例

課題は発覚したものなので、課題台帳に記載されて管理していきます。

  • xxx入力画面で更新すると、△△テーブルの○○項目に画面項目が更新されない

これは発覚しているので、課題として対応していきます。

リスクの例

リスクは発生が不確実なので、次のような例です。

  • インフルエンザがはやり、プロジェクトメンバーの大半が休んでしまうかもしれない

これはまだ発生していない(前提)事象なので、リスクとして扱います。

これらの将来的に発生する不確実な事象をまとめたものが、リスク登録簿と言います。未来予想図のようなものでしょうかね。

実際の業務では

PMBOKガイドでは、プラスのリスクと、マイナスのリスクがあげられています。それぞれ例もついています。

実際のプロジェクトでは、あまりプラスのリスクをあげることはしません。管理人もPMPの勉強を始めてから知りました。

つまらない話ですが、悲観的な人ほど、たくさんリスクをあげる傾向があります。

管理人はあまり悲観的でないのか、未来を想像できないのかわかりませんが、リスク登録簿(にちかいもの)がいつも少なく、上司に責められました。現在はPMP資格取得者になったことで、あり余るリスク項目をアウトプットするようになりました(冗談です)。

リスクを出すことは悪いことではありません。しかし、出した分だけ対策を考えなければならず、さらに、そのリスクを監視しなければなりません。

何事もほどほどに、きちんと優先度と発生確立を見極めてリスク計画を立ててください。

リスクを押さえること

抑えることではありません。リスクは抑制できるものばかりではありませんから。

正しくリスクを洗い出すこと(押さえること)は、プロジェクト成功へ向けての大きな一歩です。

PMBOKガイドで知識エリアのひとつに上げられているのも重要な意味があります。先にも書きましたが、プロジェクトを進めていく上でこれから発生するであろう事象をあらかじめ挙げておくことだからです。

当然、プロジェクトを進めていけば、不要なリスクもありますし、新たに発生するリスクもあります。プロジェクト計画書を作成するときだけリスクを考えればよいのではなく、常時監視していくことが重要です。

想定外という言葉は使わない

よく「想定外でした」という言い訳を聞くことがあります。ですが、できる限り「想定外」という言葉を使わないようにしてください。

プロジェクトマネージャたるもの、できる限り「想定内」にしてください。そのためにリスク計画、リスクの監視があるのです。

できる限り先のことを考えてください。そうすると、リスクになるようなことが多く発見できようになっていきます。

PMBOKの考え

PMP試験の模擬試験問題では、「主要メンバー数人が事故にあってプロジェクトを離脱した、さてプロジェクトマネージャであるあなたは、どう行動するか?」という問題がありました。

正解は「リスク登録簿を見て対応策を検討する」でした。PMBOKの考え方では、あらゆる場面の想定(リスク)をしておくことが正しい姿のようです。これは管理人の個人的な考えです。

米国の考え方なので、日本ではなじめないかもしれませんが、個人的には感銘を受けた部分です。また、リスクに関しては大きくページを割いています。プロジェクトを運営していく上で重要なこととして取り扱っています。

IPAプロジェクトマネージャ試験では

こちらも同様の観点があります。リスクという言葉はあまり出てこないのですが、午後Ⅱ試験(論文試験)に、「予兆」という言葉が出てきます。

これは何を隠そうリスクの検知ではないでしょうか。プロジェクトマネジメントの試験なので、やはり重要なテーマになっていると想像できます。

この「予兆」というキーワードを用いて論文を構成していくのですが、PMBOKガイドで、リスク管理について学んでおくと、いろいろと幅を広げた論文が書けそうです。

余談ですが、IPAプロジェクトマネージャ試験の午後問題(Ⅰ、Ⅱ両方とも)を読み物として読んでも、示唆に富んだ、味わい深い内容で、楽しめることと思います。PMP試験にはない、日本的な香りが味わえるのでお勧めです。

まとめ

リスクについて書いてきましたが、脱線してしまった部分もあり、ご容赦ください。

管理人もプロジェクトマネージャ資格試験(IPA、PMP)を取得するまでは、リスク登録簿(のようなもの)をおろそかにしていました。

別プロジェクトや、過去のプロジェクトを模倣して、何も考えずに、作っていたものです。一番のリスクは「プロジェクトマネージャの無知」ということになっていました。今考えると、恐ろしいことです。

これからは違います。管理人は変わりました。

皆さんも管理人のような振る舞いをみて、ドキッとしたかたはいませんか? そういう方は、すぐにでも、プロジェクトマネージャ資格の取得のために学習を開始しましょう。一日でも早く本当のプロマネになってください。応援しています。

 

PM

Posted by wpmaster