レビューの必要性について
システム開発を行う上で、レビューはみなさんも普通に行われているかと思いますが、活かし切れていますか?
活かしきれているならば、テスト工程以降で設計起因の障害が少ないこと思います。そうでないならば、レビューの目的と方法について考え直してみてください。
レビューの必要性
レビューは重要
設計工程~製造工程にかけては、品質を作りこむことが必要です。なぜ必要かは別記事を参照してください。
結論から言うと、品質を高めるためにレビューはとても重要なものです。
なぜレビューが重要なのでしょうか。それは設計書の品質を作りこむための唯一の方法のためです。
レビューとは
レビューは設計者ならびに製造者の見落としや誤認識などを、第三者が指摘して改善を図るという手段です。
自己レビューは正式なレビューには含みません。第三者を含めることでレビューとして扱われます。
なぜならば成果物を作成した人がチェックすることを自己レビューといいますが、自己レビューだけで成果物が完成することはほぼないためです。
レビューの必要性
成果物の完成とは、顧客要件に合致したものを指します。この顧客要件に合致したものを作成者がすべて完璧に満たせると思いますか?
管理人が今まで携わってきたプロジェクトではそのようなことは一度もありませんでした。
レビューはどの工程で必要かというと、すべての工程で必要です。
設計工程では「設計レビュー」、製造工程では「ソースレビュー」と、ものづくりの工程では、成果物を作成するたびにレビューを行います。これは組織で義務付けられていることでしょう。
スケジュール上でも、このレビューを実施するというアクティビティを含めることを忘れてはいけません。
よくあるのが製造に2日と線を引いたけども、ソースレビューの時間を含めていないとか、レビューアーのアサインをしていないなど、レビューを軽視するもしくは忘れている傾向が見受けられます。
レビューは負担がかかる
確かにレビューを実施することは負担がかかります。レビューを行う際の役割分担は次の通りです。
- レビューアー:レビューする人
- レビューイ:レビューを受ける人
レビューイにとっては、辛辣(しんらつ)な指摘を受けることは苦痛です。レビューアーも的確な指摘を行わなければならないというプレッシャーを持たなければなりません。
しかし成果物の欠陥を除去することが、成果物の品質を向上させ、ひいては、後工程への欠陥混入を防げます。
プロジェクトマネージャの立ち位置
プロジェクトマネージャとしては、品質計画で、レビューをすることを義務付けると思いますが、その意味や役目についても、プロジェクトメンバーに対して啓発していくことが重要です。
そしてプロジェクトマネージャ自身で、いくつかの重要な機能に関してはレビューを行ってください。そうすれば、プロジェクトメンバーも緊張感をもってレビューに取り組むことと思います。
第三者機関の活用
またさらなる品質向上の取り組みとしては、第三者機関によるレビュー実施策も考えられます。成果としては、組織の標準的(他プロジェクトとの比較など)な傾向との乖離(かいり)を指摘してもらえるので効果があります。
うまい使い方としては、各作業者の最初の1本目を、第三者機関にレビューしてもらい指摘を受けます。その際に、レビューの観点も同時に教えてもらうことで、プロジェクト内でのレビューノウハウや観点を共有できます。そのあとは、プロジェクト内でレビューを実施し、その工程の終盤にもう一度第三者機関にレビューをしてもらいます。そうすると、今までの成果が確認でき、問題があっても工程完了までにリカバリーできるでしょう。
レビューでしてはいけないこと
よくレビュー時にレビューイの人格否定をしたり、細かい体裁をあげつらったりなどの本来の趣旨から逸脱したレビューアーを見かけることがあります。プロジェクトマネージャはこれを見聞きした場合は、やめさせるようにしてください。
レビューの生産性が低下するばかりか、レビューイのモチベーションの低下もありますので、プロジェクトに大きな影響を及ぼします。
最初にレビューの趣旨をメンバーに伝えることはもちろんですが、こういう反面教師の例も挙げて伝えることが重要です。
必ず個人攻撃をする人が出てくるものです。
レビューの質を上げるためには
レビューの質を上げることは、各メンバーへの意識づけを丁寧に行うことが重要です。これはプロジェクトマネージャの義務だと思います。必要であれば、第三者機関(多分組織にそういう部署があるのでは?)を利用する手もあります。
そもそもプロジェクトマネージャが正しレビューの仕方を知らないとまずいですので、もし、よくわからないとしたら、誰知らぬうちに勉強しておきましょう。
まとめ
レビューに関してはPMBOKでも重要な手法の一つとしてあげています。本記事では、レビュー技術に関して述べることはしません。どのような技術を用いても、結局はそれを使う人によるものが多いですから。
技術をうんぬんする前に、レビューに対する心構えを重視するようにしてください。
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