IPAプロジェクトマネージャ試験対策:午後試験
今回は、情報処理技術者プロジェクトマネージャ試験対策に関して、”午後試験対策”について書いていきます。アラフィフ管理人が実施してきたことが中心です。初学者の方には参考になる部分もあるかと思います。
誰もが認める”難関”の午後試験です。他のウェブサイトでは「他の高度情報処理試験よりも簡単だ」という意見もあるようですが、こちらは初学者でアラフィフです。簡単だなんてとても言えませんね。
さて、午後試験の勉強をしていると、独学方式の方にとっては、自分が”今どのレベルにいるのか”がわかりにくい状態に陥ります。合格レベルに達しているのか、していないのか。何が足りていて、何が足らないのか。明確な答えは出ないかもしれません。
でも進んでいくしか合格へたどり着くことはできません。ガンバって進めていきましょう。
プロジェクトマネージャ試験午後試験対策の進め方
まずは午後試験対策について、具体的な進め方を書いていきたいと思います。初学者だった管理人の観点なので、経験者の方は不要なところは読み飛ばしてくださって結構です。今回は、下図のような流れを想定しました。
購入した参考書で対象範囲・特徴を再確認する
試験範囲の確認についてはいろいろなところで繰り返し書いてきました。重要なところなので何度も書きます。
午後試験も午前試験と同様、購入した参考書の書き出し部分を読み、対象・範囲・難易度・心構えなどを理解してください。ウェブサイトだけでは得られない情報が記載されています。
ここで具体的な勉強方法・時間の使い方を理解してください。また、合格体験記なども掲載されています。参考になるので目を通しておくと良いでしょう。
過去問を試しに解く
ある程度試験の特徴を理解したあとは、午後試験(Ⅰ・Ⅱ両方)の過去問1年分を、時間通りにチャレンジしてみてください。
できれば前年度がよいでしょう。時間も試験通りに測って解いてください。”敵”を肌で感じてください。
時間の無駄とは思わずにトライしてみてください。得るものはあるはずです。
過去問を試しに解く目的
過去問を試しに解く目的は、午前試験対策と同様、2つです。
- 自分のレベルを知ること。
- どのような問題なのか雰囲気をつかむこと。
ここでは、自分の置かれた状態を知るためなので、できなくても当然です。できた方が怖いですよ。手も足も出ないかと思いますが、まずはこれでよいでしょう。雰囲気を味わってみてください。手書きの試験とはどういうものかを体験することが重要です。
参考書を読み込む
参考書の構成にもよりますが、プロジェクトマネジメントの基礎知識が記載されています。そこを十分に読み込んでください。ひたすら読んで理解してください。必要となるプロマネ知識を十分蓄えましょう。
ノートを作るとまではいかなくてよいと思いますが、それに準ずる努力をしてください。
例えば、「ステークホルダー」という知識エリアがあります。「ステークホルダー」に関する基礎知識が参考書には書いてあります。これを理解・暗記して頭に蓄えてください。
こういった基礎知識が必要な時に頭から取り出せないと、午後試験において、自己の知見を自在に論ずることが難しいでしょう。
PMP試験と並行受験される方は、両方で似たようなことを学ぶので、より理解が深まると思います。ただ、PMP試験のほうが知識としては深い内容になっています。
しかし、情報処理技術者試験の午後試験は、記述式・論文なので、知識をアウトプットするという、違ったスキルが必要です。
管理人も厚い参考書は3周くらいしました。 また、午前Ⅱ試験の対策にもなります。
プロジェクトマネジメントに関する基礎知識の習得はこの段階で済ませてください。そして午前試験編も書いた過去問を解くことで身につけてください。
攻略法をより詳しく知る(解法を学ぶ)
前記した”参考書を読み込む”ことで、ある程度プロジェクトマネジメント知識を取得したと感じたら、午後試験問題攻略手法について、参考書から習得しましょう。
参考書ごとにさまざまな解法が記載されています。問題文への下線の引き方ひとつとっても千差万別です。出題されている例題(過去問)に記載されている”解法”を、暗記する意気込みで読み込んでください。
この攻略法は、午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験では試験形態が異なるため、当然ですが異なります。それぞれのパターンをまずは理解することに努めてください。根気と努力が必要ですが、乗り越えましょう。
手書きの訓練
さらに”解法”を習得するために、出題されている例題(過去問)について、手書きで解答する訓練をします。
頭ではわかったつもりでも、いざ問題用紙を前にしてみると、下線を引くことすら容易ではないことでしょう。それを克服するためです。
午後Ⅰ試験
- 解答例をまねて問題用紙に下線を引いてみる。
- 模範解答を手書きしてみる。
午後Ⅱ試験
- 模範論文を手書きで書き出してみる
自分の力で問題が解ける、論文を書ける自信がある人は、この訓練はしなくても大丈夫でしょう。
そうでない方は、慣れるという意味でも、手書きの訓練を積んでください。数をこなしていくと、問題文を前にしても機械的に手が動き出し下線を引き始めていることでしょう。
そうなるまでは、例題の解説と見比べっこしながら、実際に下線を引いたり、模範解答を手書きしたり、模範論文を写すことを続けてください。
管理人は土日を使って、1年分の午後Ⅰ問題、午後Ⅱ問題をやってみました。
この場合は、試験時間に合わせようなどとは気にせず、さっさと短時間で済ませます。5年分くらいを繰り返すうちに、徐々に自分で問題文を見て下線を引けるようになっていきました。
試験までの残り日数次第ですが、可能なかぎりチャレンジして見てください。
過去問を本気で解く
ある程度、自力で解答、論文が書けると判断したら、参考書に出ていない過去問を、定期的に、時間制限付きで解いてください。午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験両方です。
時間がかかる方法ですが、少しずつ手ごたえが出てきます。 ただ、ここが独学方式のつらいところなのですが、論文を書いても添削してもらえません。
解答例と見比べて違いを自分で見つけるしかありません。くじけずに続けてください。
苦手分野は繰り返す
プロジェクトマネジメントの基礎知識が不足していると感じている分野は、特に参考書を読み込んでください。
時間がない方は、午後Ⅰ試験対策を重点的に行ってください。午後Ⅰ試験は”意外に”難しい試験です。しかし、解き方のコツを覚えるだけで合格ラインは近づきます。
どこまで過去問を解けば良い?
ここまで読んでいただいた方は、過去問を解くために、どれだけの時間を費やせばいいのか? わからなくなってしまった方も多いと思います。
過去問を解くということは何かと言うと、”自力で時間を計測して、一から書き出す”ということです。
最善の方法は、すべての分野について試験準備をすることですが、時間は有限です。すべての年度の過去問を解くことは現実的に不可能です。
そういう場合は、参考書に身を任せ”ヤマを張る”という手もあります。管理人はそこまでは書きません。管理人はどう進めたのかを書いていきます。
午後Ⅰ試験は直近10年分解く
管理人もここまでやる予定ではなかったのですが、午後Ⅰ試験問題がどうしてもうまく解けませんでした。そのため多めに解くことにしました。これを1セットとして2回は繰り返しました。
午後Ⅰ試験1年分の問題数
- 3問
1問当たりに費やす時間
- 30分
1年分にかかる時間
- 30分×3問=90分
10年分にかかる時間
- 90分×10年分=合計900分(15時間)
これを、2セット
- 900分×2セット=合計1,800分(30時間)
午後Ⅱ試験は直近2年分を解く
午後Ⅱ試験問題は、手書きの練習を積むのと、構想を練る方に時間をかけたので、結局2年分4問を解くことで終わってしまいました。3年分は解こうと考えたのですが、時間が足りませんでした。
1年分の午後Ⅱ試験問題数
- 2問
1問当たりに費やす時間
- 100分
1年分にかかる時間
- 100分×2問=200分
2年分にかかる時間
- 200分×2年分=合計400分(約7時間)
これを、2セット
- 400分×2セット=合計800分(約14時間)
それ以外の過去問にも目は通しておく
手が回らなかった過去問ですが、時間の許す限り目を通しておいてください。
- 問題文を黙読する
- 解答・解説も黙読する
自力で解いた方が当然ですが身につく内容も大きくなります。しかし時間は有限なので、管理人も上記に書いた時間程度しか取れませんでした。
しかし、いろいろなパターンに対して”引き出し”を作るために、過去15年分の過去問には目を通しました。
その中でも、参考書に優先度が高いとマークされている問題は、数回読みました。恥ずかしい話ですが、このくらいやらないと、アラフィフ平社員の管理人の頭には入ってこなかったのです。
まとめ
試験のヤマ場は午後試験です。繰り返しますが、”やさしい”試験ではありません。世の中には”優秀な方たちが、より少ない時間で合格した”記事が多数あります。
管理人も試験を始める前の調査の段階で、いろいろなウェブサイトや合格体験記を読んできました。もちろん参考はなりました。考え方や進め方などいくつもヒントをもらいました。
しかし、自分のような境遇の方にお目にかかることはありませんでした。この歳で資格取得にチャレンジするような人はもういないのでしょうか? そういった意味ではあまり参考になりませんでした。まあ、そのような話はまた別の機会にします。
午前試験対策編でも書きましたが、午後試験を解くためにも、午前問題の基礎知識が必要です。過去問を解いてもらえばわかりますが、問題文に情報処理用語があちらこちらに出てきます。そのため、午前試験の基礎知識は十分に習得しておいてください。
午後試験対策の中心は、やはり手書き訓練になると感じました。問題を読み解くための”解法”を体に染み込ませておかないと、実際の試験で役に立ちません。付け焼刃では太刀打ちできないでしょう。みなさんも時間の許す限り、十分に手書き訓練を積んでください。
- 「IPAプロジェクトマネージャ試験対策:全体の流れ」へ戻る
- 前の記事「IPAプロジェクトマネージャ試験対策:午前試験」へ戻る
- 次の記事「IPAプロジェクトマネージャ試験対策:過去問の使い方」へ進む
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません