プロジェクトとプロダクトの意味と違いは何か?
プロジェクトとは何を意味するか、正確に答えられますか?
普段何気なく使っている言葉ですが「どういう意味ですか?」とメンバーに聞かれた場合、なんと答えますか? 結構あいまいではないでしょうか?
今回は、プロジェクトと、それにまつわるプロダクトについて書いていきます。
プロダクトとプロジェクト
プロダクトとは?
プロダクトとは、誤解を恐れずにざっくりいうと、次のとおりです。
- 「もの」です。サービスも含みます。
ただし「計測・検証ができること」という条件がつきます。
プロダクトは各業種・業態により、さまざまな形態・形状です。自動車メーカーであれば、プロダクトは自動車です。IT業界であれば、プロダクトはITシステムになるでしょう。
「計測・検証できること」とは?
「計測・検証できること」とは「出来上がった成果物が、ステークホルダーの要求を満たしているかどうかを検証できなくてはならない」ということです。
検証するためには、計測できなければなりません。要求事項を満たしているかを計測し、その結果を検証することで、はじめてプロダクトが完成するということです。
プロジェクトとは?
プロジェクトとは、誤解を恐れずにざっくりいうと、次のとおりです。
- プロダクトを作るための作業。
ただし「独自性があり、有期性があるもの」という条件がつきます。すなわちプロジェクトとは「プロダクトを作成するための作業を行うこと」を指しているのです。
独自性とは?
独自性とは、「他にないもの」という意味です。反復性のあるものは「定常業務」と呼びます。
有期性とは?
有期性とは、「期間が定められている」ということです。プロジェクトにはいつか終わりが来ます。終わりが来ないものは「定常業務」と呼ばれます。
PMBOKでは?
念のため、PMBOKから引用してみます。
プロダクト
生産され、定量化可能で、それ自身で最終生産物あるいはその構成要素の生産物となる人口品。プロダクトを表す別の用語として物資と物品がある。成果物も参照
プロジェクト
独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務
もちろん、PMBOKではプロジェクトについて、詳細な説明をしています。PMP試験に合格するためには、十分理解することが必要です。
しかし本ブログではそこまで書きませんのでご容赦ください。イメージをつかむ手助けになればと思います。
プロジェクトの例
プロジェクトの例として、次の例を挙げている参考書が多く見受けられます。
- 新製品の開発
- 業務改革
新製品の開発
新製品の開発はわかりやすいでしょう。独自性のある「プロダクト」を、期間を決めて(有期性)開発作業を行うからです。
開発が終了した新製品は、今度はラインに乗せて生産するという定常業務へ進みます。この辺は、プロダクト・ライフサイクルと呼びますが、ここでは詳細を割愛します。
業務改革
業務改革をする場合「●●プロジェクト」と呼ぶことは多くないですか?
プロジェクトは「業務改革」というプロダクト(「もの」ではありませんが)を生み出す独自性があり、期間が決っている有期性のある業務(作業)をすることだからです。
われわれシステム開発もプロジェクトと呼んでいますよね。システム開発も、過去と同じものはないと思います。
とくにシステムインテグレーション(SI)開発の場合だと、プロダクト(成果物)は、顧客向けの独自仕様です。似たものはあるけど、まったく同じものはないはずです。
パッケージ開発の場合は、さきほど挙げた新製品の開発と類似しています。パッケージがプロダクトに該当するためです。
まとめ
プロダクトとプロジェクトの違いがわかると、PMBOKガイドを読み込むことが容易に感じられると思います。「もの」と「作業」の違いですね。
考えてみれば当たり前のことかもしれません。しかしプロジェクトと呼ぶことが通常的になりすぎて、本来の意味をわからないまま使っていたりします。
このことは、別記事で紹介する「スコープ」へとつながっていきます。
ちなみにPMBOKは、「プロジェクトマネジメント」に関するガイドブックなので、「プロダクト」を作るための技術的な内容は含まれていません。
あくまでも「プロジェクト」が対象です。
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